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zoom RSS 亜細亜最新情報 4/21

<<   作成日時 : 2017/04/21 08:07   >>

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亜細亜最新情報 ★ブレイクタイム★
●日本には創業100年超えが10万社。世界がひれ伏す老舗企業の共通点
先日掲載の記事「なぜ日本には老舗が多く残り、韓国は三代も続く店がないのか
?」で、日本の商人が「武士道」に通じる精神を持ち合わせていることをお伝えしま
したが、老舗企業が今なお様々な分野で業界の牽引役となっているのには、他に
も理由があるようです。4社を例に上げながらその秘密に迫っています。
★老舗企業の技術革新
我が国は、世界で群を抜く「老舗企業大国」である。創業100年を超える老舗企業
が、個人商店や小企業を含めると、10万社以上あると推定されている。その中には
飛鳥時代、西暦578年に設立された創業1,400年の建築会社「金剛組」だとか、
創業1,300年になろうかという北陸の旅館、1,200年以上の京都の和菓子屋など、
1,000年以上の老舗企業も少なくない。
ヨーロッパには200年以上の会社のみ入会を許される「エノキアン協会」があるが、
最古のメンバーは1369年に設立されたイタリアの金細工メーカーである。しかし、
これよりも古い会社や店が、我が国には100社近くもある。
お隣の韓国には俗に「三代続く店はない」と言われており、せいぜい創業80年ほ
どの会社がいくつかあるに過ぎない。中国でも「世界最大の漢方薬メーカー」北京同
仁堂が創業340年ほど、あとは中国茶、書道用具など100年以上の老舗が何軒か
ある程度である。
◆(関連記事)なぜ日本には老舗が多く残り、韓国は三代も続く店がないのか?
さらに興味深いのは、100年以上の老舗企業10万社のうち、4万5,000社ほどが
製造業であり、その中には伝統的な工芸品分野ばかりでなく、携帯電話やコンピュ
ータなどの情報技術分野や、バイオテクノロジーなど先端技術分野で活躍している
企業も少なくないことだ。
★髪の毛の1/8の細さの金の極細線
そんな企業の一つが東京の田中貴金属工業である。明治18(1885)年に東京の日
本橋で両替商「田中商店」として出発した。明治22(1889)年には、白金の工業製
品としての国産化に成功。以来、貴金属の売買と加工を二本柱としてやってきた。
現在の代表製品の一つが、金の極細線。最も細いもので直径0.01ミリ、髪の毛の
1/8ほどの細さのものが作られている。たとえば携帯電話でバイブレーションするも
のは、大きさ4ミリほどの超小型モーターが使われているが、そのブラシに極細線
が使われている。そのほか、車のミラーを動かす超小型モーターにも、適用されて
いる。
金は錆びないし、熱や薬品にも強く、導電性も高い。さらに薄く長く伸ばせる。1グ
ラムの純金を、太さ0.05ミリの線にすると、3,000メートルにもなる。そうした貴金
属の特長を、長年磨いてきた加工技術で引き出しているのである。今や世界中で
使われる金の極細線の大半は、田中貴金属が供給している。
同社ではさらに、プラチナでガン細胞の成長を抑えるとか、銀にカドミウムを加えて
接点としての性能をあげる、など、貴金属の新しい特性を引き出す革新的な研究
開発を続けている。
同社の技術開発部門長の本郷茂人(まさひと)氏はこう語る。
貴金属のほうから、そういう特性を世に出してくれ、出してくれって言っているように
な気がするんですよ。われわれが特性を探し出すんじゃなくてね。世の中に出して
くれ、出してくれと言っているものを出してやるように努力するのが、われわれの仕
事じゃないかと思うんです。
(『千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン』野村進 著/角川グループパブ
リッシング)
★金箔は人の心を読む
携帯電話の中で、折り曲げ可能なフレキシブル・プリント基板配線用の銅箔では、
日本国内のライバル1社と合わせて世界シェアの9割を占めるのが、京都の「福
田金属箔粉工業」である。
設立は元禄13(1700)年、赤穂浪士の討ち入りの2年前に、京都・室町で金銀箔
粉の商いを始めた時に遡る。創業300年以上となる老舗である。以来、錫箔、ア
ルミ箔、銅粉、アルミ粉など、箔粉技術一筋にやってきた。
金箔の技術は仏教とともに渡来した。寺院や仏像、仏具の装飾に、金箔が広く使
われていた。当時の製法は金の粒を狸の毛皮に挟んで、槌(つち)で叩いて伸ば
していく。極細線と同様、髪の毛の1/8ほどの薄さに引き延ばす。比率で言えば、
10円玉の大きさの金を畳2畳ほどに広げる勘定になる。
伝統的な職人の間では、次のように言われている。
金箔は人の心を読む。機嫌の悪いときには言うことを聞かない。時には嘲笑(あざ
わら)ったりする。金箔は生きているから。
福田金属も、こういう職人気質を受け継いで、世界最高品質の銅箔を作り続けて
いるのだろう。
★「お米の持つ力を近代の日本人は引き出してこなかった」
香川県の勇心酒造株式会社は、安政元(1854)年創業で、すでに160年以上の
歴史を持つ。現在の当主・徳山孝氏は5代目である。
徳山氏が30歳の若さで、勇心酒造を継いだ時、清酒業界はすでに斜陽で、老舗
の造り酒屋が次々と倒れていった。東大大学院で酵母を研究した徳山氏はコメと
醸造・発酵技術を結びつけて付加価値の高い商品を作ろうと考えた。
お米の場合、清酒や味噌、醤油、酢、みりん、あるいは焼酎、甘酒といった非常に
優れた醸造・発酵・抽出の技術があるんですけれども、明治以降、新しい用途開
発がまったくと言っていいほどなされていなかった。つまり、近代に入ってから、
お米の持つ力を日本人は引き出してこなかった。…
近代科学が行き詰まっているいまだからこそ、米作りのような農業と醸造・発酵の
技術とをもう一度リンクさせ、付加価値の高いものを作ろうと、お米の研究に取りか
かったのです。(同上)
先祖伝来の土地を切り売りしながら、毎年1億円以上を研究開発に注ぎ込んだ。
むかし米が湿布薬に使われていたという古文書の記述をヒントに、ようやく昭和63
(1988)年にライスパワーエキス入りの入浴剤を開発して売り出したところ、たちま
ち年間300万本のヒット商品に成長した。
★自然に「生かされている」
しかし、ある大手製薬会社が詐欺同然のやり口で徳山氏の開発した製法を知り、
同様の製品を売り出したため、売上げは激減、倒産一歩手前まで行った。そこに
通産省が産業基盤整備基金を通じて3億6,000万円を融資してくれ、また地元
の通販社長が「おカネ、困っとるんやろ」と1億円をぽんと貸してくれた。
それを元手に徳山氏は商品開発を続け、平成14(2002)にアトピー性皮膚炎に効
く「アトピスマイル」を売り出した。それまでに使われていたステロイド剤の副作用
がまったくないので、アトピー性皮膚炎の子どもを持つ母親からは「救世主」並の
人気を集め、口コミだけで1年で12万本売れた。
さらに化粧品会社コーセーから、皮膚の水分保持能力を改善する「モイスチュア
 スキンリペア」を売り出すと、年間100万本を超す大ヒット商品となった。
遺伝子組み換えなどで自然界にない生物を作りだす西洋型のバイオテクノロジー
に対して、日本古来の発酵技術の組み合わせによって、安全な新製品を開発する
のが、日本型バイオテクノロジーだと徳山氏は言う。
西洋のヒューマニズムを「人道主義」と訳してきたのは、とんでもない誤訳やと思う
んです。ある学者が言うてましたが、あれは「人間中心主義」と訳すべきなんです。
つまり、何事も人間を中心に「生きていく」という発想。だから、人間と自然との乖
離(かいり)がますます大きくなってきた。環境問題ひとつ解決できない。こういう
人間中心主義は、もう行き詰まってきたんやないかと思うわけです。
一方、東洋には自然に「生かされている」という思想があります。私なんか、多く
の微生物に助けてもらってきたわけで、まさに「生かされている」と思います。
(同上)
★日本古来の木ロウ技術がコピー機に取り入れられた
「株式会社セラリカNODA」というと、いかにも現代企業のようだが、創業は天保
3(1832)年で、すでに180年近い歴史を持つ。福岡で木ロウの製造と販売を営
んできた。
木ロウはウルシ科のハゼの木などの実に含まれる脂肪分を抽出して作られ、ロ
ウソクや鬢付け油に使われた。近代に入ってからは男性整髪料ポマードの原料
としても使われてきた。しかし、昭和40年代半ばにヘアトニックなどの新しい整
髪料が登場すると、家業は危機に瀕した。
ちょうどその頃、先代社長が急逝し、広島大学で情報行動科学を学んだ息子の
野田泰三氏が、急遽、会社を担うことになった。
野田氏が、木ロウの新しい用途はないかと考えていた時に、ひらめいたのが、自
分が学んだ情報分野の知識から、コピー機のトナーに使えないか、というアイデ
アだった。木ロウは熱に溶けやすく、しかもその後すぐに固まる。この特長を生か
せば、印字しやすく、かつ擦れにくいトナーができるはずだ。
おりしもコピー機業界はアメリカのゼロックス社の独壇場を崩すべく、まったく新し
いトナーを作り出そうという気運が高まっていた。野田さんは、飛び込みでキャノ
ンやリコーに売り込みをかけ、その主張が実験で裏付けられるや、トナーの添加
剤として次々に採用されていった。
こうして日本古来の木ロウ技術が、情報産業の最先端に取り入れられたのである。
「生かす発想」へ
ロウは昆虫からも採れる。カイガラムシは樹液を吸ってしまう害虫だが、真っ白な「
雪ロウ」を分泌する。この雪ロウは光沢があり、化学的にもきわめて安定している
ため、防湿剤や潤滑剤、カラーインクの原料として、有望な可能性を秘めている。
野田氏は、中国側と共同して、カイガラムシが好むモチの木を、内陸部の雲南省
と四川省の山間部に50万本植え付けた。これをカイガラムシに食べさせ、雪ロ
ウをどんどん分泌させる。これを現地の農民が採取し、日本で製品化して販売す
る。
中国での環境保全と農民の貧困救済を同時に追求できる。野田氏は語る。
人間は地球の王様みたいになりましたが、昆虫のほうはおよそ180万種もの多
様な生物種として存在している。それなのに、人間が「益虫」とみなして利用して
きたのは、ミツバチとカイコくらいなもので、あとのほとんどは「害虫」と邪魔者扱い
してきました。農薬とか殺虫剤でどんどん殺してきたわけですね。こういった人間
からの価値付けだけで、邪魔者を排除する発想が、開発のために自然を破壊す
る行為にもつながっているんですね。(同上)
いままでの「殺す発想」から「生かす発想」に転換する必要がある、と野田氏は説く。
★老舗企業の共通性
以上、日本の老舗企業が現代社会で逞しく生き抜いている例をいくつか紹介した
が、そこには、ある共通性が見てとれる。
第一に、それぞれの企業は、箔粉技術や醸造・発酵技術など、伝統技術を現代
社会の必要とする新しい製品に生かしている、という点。時代が進むにつれて、
消費者の生活様式も変わり、技術も進むので、必要とするものも変わっていく。ロ
ウソクなどといった旧来の商品だけにしがみついていたら、これらの企業は時代
の波を乗り越えられなかっただろう。「伝統は革新の連続」という言葉があるが、
その革新を続けてきた企業が、老舗として今も続いている。
第二に、革新といっても、自分の本業の技術からは離れていない点である。神戸
市灘区の創業200年の造り酒屋が、カラオケやサラ金経営に乗り出して倒産した
という例がある。本業を通じて、独自の技術を営々と蓄積してきたところに老舗の
強みがあるのであって、そこを離れては、新参企業と変わらない。
第三は、「金箔は生きている」「自然に生かされている」「生かす発想」などの言葉
に見られるように、大自然の「生きとし生けるもの」の中で、その不思議な力を引き
出し、それを革新的な製品開発につなげている点である。これはわが国の伝統的
な自然観に基づいた発想であるとともに、西洋的な科学技術の「人間中心主義」
の弱点・短所を補う、きわめて合理的・総合的なアプローチなのである。
大学で西洋的科学技術しか学んでこなかった研究者・技術者が欧米企業と同様
な研究開発アプローチをとったのでは、同じ土俵で戦うだけで、独自の強みが出
ない。老舗企業にはわが国の伝統的自然観が残っており、それが独自の技術革
新をもたらしたのであろう。
★老舗職人大国・日本
アジアの億万長者ベスト100のうち、半分強が華僑を含む中国系企業であるとい
う。その中で100年以上続いている企業は一社もない。創業者1代か2代で築
いた「成り上がり企業」ばかりである。
これに比べると、企業規模では比較にならないほど小さいが、100年以上の老舗
企業が10万社以上もあるわが国とは、実に対照的である。
『千年、働いてきました』の著者・野村進氏は、「商人のアジア」と「職人のアジア」
という興味深い概念を提唱している。「商人」だからこそ、創業者の才覚一つで億
万長者になれるような急成長ができるのだろう。しかし、そこには事業を支える独
自技術がないので、創業者が代替わりしてしまえば、あっという間に没落もする。
それに対して、「職人」は技術を磨くのに何代もかかり、急に富豪になったりはしな
いが、その技術を生かせば、時代の変遷を乗り越えて、事業を営んでいけるので
ある。
これらの老舗企業が示している経営の智慧を国家全体で生かしていけば、わが
国は老舗職人大国として末永く幸福にやっていくことができるであろう。
●中国の領海侵犯は本当か? 海保も認める「暗黙のルール」を徹底検証
これまでも「中国と『一触即発』のウソ。実は関係改善で、日中首脳会談の可能
性も」、「『中国脅威論』はこうして作られた。新聞報道の巧妙な世論誘導」とい
った記事で、まことしやかに語られる「中国の脅威」について様々な証拠を元に
その過ちを暴いてきた。今回は、先日の世界友愛フォーラムで高野さんが行っ
た講演の内容を紙面で紹介しながら、改めて「中国脅威論」の嘘を白日のもとに
晒しています。
★徹底検証!「中国脅威論」の嘘──世界友愛フォーラムでの講演録(上)
3月29日に都内で開かれた世界友愛フォーラムの例会で標題のような講演を
行った。それぞれの内容・論点の多くは、本誌でこの1〜2年間に述べてきたこ
とではあるが、このようにまとめて通覧するとまたひと味違うと思うので、大筋を
数回に分けて再録する。また使用したパワーポイントのごく一部も添付する。
講演録 中国脅威論の嘘
安倍「一強」政治が続いてきた大きな要因の1つは、マスコミを通じて「中国が
怖い」という恐怖心を煽り、国民を怯えさせるのに成功してきたことにある。
冷戦時代には「脅威」と言えば専ら旧ソ連で、レーガン政権はソ連を「悪魔の帝
国」とまで呼んだ。日本でも、今でも覚えているが、『週刊現代』が「ある日突然、
札幌のあなたの庭先にソ連の戦車が!?」といった特集をバンバン打っていた。
当時、青森の女性が稚内の青年に嫁ぐことになっていたが、親が「稚内はソ連
に近いから危ない」と反対して破談になったという笑えない話さえあった。
脅威の横滑り
冷戦が終わってソ連の脅威はなくなったのに、今度は「北朝鮮が危ない」「中国
も怖いぞ」という話になってきて、私はそれを「脅威の横滑り」と呼んできた。北
朝鮮や中国も脅威でないとは言わないが、旧ソ連の脅威とは量・質ともに違う
し、起こりうる危機の様態も当然異なるはずなのに、そういう真面目な検討を抜
きに安易に北や中国に脅威の対象を移し替えていくという「心理操作」が罷り通
ってきた。
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旧ソ連の場合は、極東に強力な機甲化師団が2つあって、それが大挙して北
海道に渡洋上陸作戦を敢行してくる可能性があり、その場合に陸上自衛隊は
1,000両の戦車を並べて北海道の原野で戦車戦を展開して取り敢えずは持
ち堪え、その間に、航空自衛隊のみならず三沢の米空軍が出動して戦術核兵
器の使用可能性を含めて対地爆撃で支援し、さらに数日中には沖縄から米海
兵隊が駆けつけて反撃を開始する……というのが日本有事の中心シナリオだ
った。
とはいえ、そんなことが本当に差し迫っていたのかと言えば、そうではなくて、
私が当時、陸自北部方面隊の幹部に「週刊誌はあんなことを書き立てている
が、どうなんですか」と尋ねると、「あのですね、いまソ連の極東の港に輸送船
がいないんです。戦車は空を飛びませんから、いかに強力な機甲化師団が存
在していようと、それは『潜在的脅威』に留まっているということです。輸送船
が欧州方面から回送されるなどして集結が始まったとなれば、それは『現実的
脅威』に転化したと判断して、我々は戦闘準備に入ります」と。なるほど軍人
さんは冷静なのだ。「だったら、週刊誌があんな風に無責任に煽るのを放置し
ておくのですか」と訊くと、「あれはあれで、どんどんやって頂いた方が我々も
予算が取りやすくなるんで……」というまことに率直なお話だった。
そういう旧ソ連を相手にした危機シナリオと、北朝鮮や中国は違っていて、ま
ず少なくとも、この両国から師団単位の大規模上陸侵攻を受ける可能性は、誰
が考えてもゼロである。そうすると、冷戦が終わって我が国は一体どういう危機
に直面しうるのかという、軍人さんの用語では「脅威の見積もり」をやり直して、
そのそれぞれに関して、何が潜在的脅威で、それがどうなったら現実的脅威と
判断するのか、きちんと戦略的な判断基準を立てなければならない。ところが
日本はそれを怠って、単に「北が危ない」「中国も怖い」という感情論を煽って
冷戦時代のままの自衛隊の装備・配置や米軍基地のあり方を維持しようとする
知的な怠惰に陥ってきた。
そのような安易な脅威の横滑りで始まった「中国脅威論」を、「価値観外交」と
か「自由の弧戦略」とか言って、日本の外交の基本戦略にまで祭り上げてしまっ
たのが安倍政権である。
★「中国包囲網」という時代錯誤
安倍首相の、ほとんど口癖になっている決まり文句は、こうである。
日本を取り巻く安全保障環境はますます厳しくなっている。中国の公船が尖閣の
我が国領海を頻々と侵犯し、また南シナ海では不法な軍事建設を進めている。
我が国は、自由、民主主義、基本的人権、法の支配などの価値観を共有する米
国始め各国と協力して平和と安全を守っていく。
裏返せば、そのような価値観を(永遠に?)共有できない中国の台頭は食い止
めなければならず、米国との同盟を中心に、その他の「民主主義国」をも結集し
て「中国包囲網」を形成して封じ込めていくということである。
しかし、まず「日本を取り巻く安全保障環境はますます厳しくなっている」という
のは本当かどうか。「何を言ってるんだ。北朝鮮がミサイルをブッ放しているじゃな
いか。中国艦船が尖閣海域や南シナ海でウロウロしているじゃないか!」という
感情論やアジテーションでは国家戦略は立ち上がらないので、どのように「ます
ます厳しく」なっているのかを1つ1つ落ち着いて検証していく必要がある。
それがなかなか難しいことで、例えばこれがいま売れている劇画『空母いぶき』
(写真)。ある日突然、尖閣に遭難漁民を装ったと見られる中国の工作員3名が
上陸して中国国旗を掲げる。それを合図に中国の海兵と空挺部隊が与那国島
と多良間島を急襲してたちまち制圧、住民を人質にとって尖閣に対する中国の
領有権主張を認めるように迫る。それに対して海上自衛隊の垂直離発着の戦
闘機を搭載した空母が雄々しく立ち向かって行く……というお話で、『沈黙の艦
隊』で知られる劇画家かわぐちかいじの最新作である。
制海権・制空権をめぐる両軍の駆け引きとか海空戦闘場面の描写にはそれなり
のリアリティがあったりもするが、肝心の中国が本当に尖閣・与那国の電撃的占
領という作戦に出て来るのかどうかについては、「自明の前提」のように扱われ
て、何ら検討の対象とされないので、そこに関しては全くリアリティがない。その
ため、「あ、中国って、こんな風にいきなり尖閣に攻めてくるんだ」と恐怖心を煽
るのに大いに貢献し、安倍政権による「中国が怖い」キャンペーンに手を貸す結
果となっている。
こうした日本における「中国脅威論」の隆盛に、中国の王毅外相は3月8日、
全人代での記者会見で「日本には依然として(中国に対する平和と対抗の)2
つの路線の間で揺れ動き、歴史を逆戻りさせようと企む者がいる。我々は日本
と関係改善したいが、日本はまず自らの心の病を治し、中国の発展を理性的に
受け止めるべきだ」と述べた(写真)。
これが日本人が罹っている「心の病」だという指摘には、残念ながら頷かざるを
得ない。
そこで、この心の病の治し方について、5つの章に分けて順を追ってお話しする
ことにしたい。
1.尖閣で中国公船が頻々と領海侵犯しているではないか?
海上保安庁のホームページを見ると、トップページの上の方に「尖閣諸島周辺
海域における中国公船及び中国漁船の活動状況について」というメニュー表示
があり、それをクリックするとこのようなグラフが出てくる。
◆海保HPのグラフの謎
赤い棒グラフは中国公船が尖閣の日本の領海に侵入した月別の隻数、青い折
れ線グラフはその外側の接続水域に入った隻数を示す。煩雑なので赤い棒グ
ラフだけを取り上げるが、見るように、野田政権が尖閣の一部国有化という愚挙
に出る以前は、ほとんどない。12年9月から跳ね上がるように始まって、13年
8月に28隻というピークを迎える。しかし、丸1年が過ぎた13年10月からは
かなり鎮まって、大体月に10隻前後で今日至るまでほぼ横ばいが続いている
(例外は16年8月でこれについては後述)。
さらに、このグラフの下に表があって、それぞれの月の何日に何隻来たかのデ
ータがある。それを見ると、何やら一定のリズムがあって、月に標準で3回、た
まに2回の時もあるが4回という時はない。1回当たりの隻数は標準で3隻、
たまに2隻や4隻のこともある。今年に入ってからもそのペースは変わらず、
1月は3回で4+3+3=12隻、2月は2回で3+4=7隻、3月は3回で3+
3+4=10隻で、この3年半の間ずっとこのペースである。
たまに新聞でも、産経と読売がほとんだが、小さなベタ記事で「中国公船、ま
た尖閣領海に」というのが出る。それを見ると「また中国は尖閣でウロウロし
ているな」という印象だけが残るが、毎回記事になる訳でもない。毎回きちん
と出るなら、逆に注意深い読者は月に3回ペースであることに気づくはずだが、
そうもなっていない。
不思議に思って海保に訊いても、「それだけ頻繁ということです」としか言わな
い。それで知り合いの中国人ジャーナリストに中国側から事情を探って貰うと、
ビックリ仰天の事実が分かってきた。
◆月3回計10程度の意味
中国の海警局には、北海と東海と南海の3分局があり、尖閣は東海分局の
担当。その下に上海、浙江、福建の3総隊があってそのそれぞれが月に1回、
出て行くことになっているから「月3回」となる。1回当たりは3隻が標準ユニ
ットで、たまに都合で2隻になったり4隻になったりもする。目的は、中国が尖
閣の領有権を主張していることを継続的にデモンストレーションすることなので、
これで十分だ。余計なトラブルにならないよう、1回につき日本の主張する領
海内に入るのは1時間半と決めていて、しかも15年冬以降は事前に日本の
海保に「明日行きますから」と事前通告するようにしている。それで海保も「い
つ来るか」と待ち構えていなくてもいいので、だいぶ楽になったと思いますよ…
…。
──それは、中国側が一方的にルール化しているのか?
「その通りで、海保も暗黙の内にそれを受け入れている」
──それって「馴れ合い」というか、事実上の「棚上げ」ということではないか。
「中国側はそう捉えている」
つまり、「月3回」というのが「頻々」に当たるかどうかは双方の見方は異なる
かもしれないが、少なくとも一触即発、いつ戦闘が起きるか分からないという
ような緊迫状態からは程遠く、むしろ逆に、尖閣はかつてないほど落ち着いた
状態にあることが分かる。
2.昨年8月には中国漁船数百隻が殺到したではないか?
昨年8月に尖閣周辺に約230隻の中国漁船と共に海警船が押し寄せ、日本
の報道では「中国が新たな強権的行動」とか、「漁船が公船を伴い大挙来襲」
とか、侵略が始まったかのような大騒ぎとなった。産経は狂ったように「海上民
兵が尖閣上陸か?」などと、劇画さながらに煽り立てた。
◆中国側の言い分もチェック
こういう時には、「心の病」に陥っている日本のメディアの言うことを鵜呑みにし
ていては病が伝染してしまうので、必ず、先方はどう言っているかをチェックす
る必要がある。まず中国大使館のホームページで公式見解を確かめると、「釣
魚島は古来、中国領」という立場を繰り返しながらも、
中国側は2014年11月の中日4項目原則の精神で、不測の事態が生じ緊
張が発生するのを回避するため、海警、魚政(日本の水産庁の漁業監視船に
相当)など公船を関係海域に派遣し、適切な管理を行った。
日本側もその精神で冷静さと理性を保つよう希望する。
と言っている。「中日4項目原則の精神」とは何か。調べると、14年11月の
安倍・習首脳会談の際に合意されたもので、その第3項にこうある。
双方は、尖閣諸島等東シナ海において近年緊張状態が生じていることにつ
いて異なる見解を有していると認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を
防ぐと共に、危機管理のメカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避する
ことで意見の一致を見た。
外交文書というのは判じ物のようではあるが、要するに、領有権問題をはじ
めとして意見の違いがあることはさておいて(つまり事実上棚上げして)、と
にかく不測の事態を回避することでは一致して努力しようということである。
◆日中漁業協定の暫定水域
その前提として知っておかなければならないのは、2000年の日中漁業協定
で設定された「暫定措置水域」である。漁業権をめぐる争いは複雑怪奇で、
ここでその経過を辿ることは止めるが、この時は、尖閣の北方のかなり広大
な水域を、言わば双方の漁船が相互乗り入れできる領域として定め、そこで
はお互いに国当局の許可なしに入って操業することができ、また双方の当局
は自国の漁船のみ取り締まって、相手国の漁船に対しては警告を発し、相手
国当局に通報することはできるが直接取り締まることはできない──という決
まりとなっている(写真)。
そこで、昨年8月に何が起きたのかと言うと、後に中国側が日本側に説明し
たところによると、8月1日を以て禁漁期が終わったので、翌2日に中国漁
船が一斉に東海に出漁し、その一部が暫定措置水域を超えて尖閣領域に
進入する可能性があったので、海警船70隻が出動し、そのうち15隻が3
日から9日にかけて尖閣海域に入って漁船を管理・指導した(つまり暫定
措置水域へと押し戻した)。大半の漁船に指導が行き渡ったので、10日に
海警船は現場から引き揚げた。そのため、周辺に残っていた漁船が11日
にギリシャ貨物船と衝突・難破した際には、中国公船はその近くに居らず、
遭難した漁民は海保船によって救助された。中国政府はそのような経緯を
説明した上、日本による救助活動に感謝の意を表明した……。
つまり、日中双方とも、日中漁業協定と「4項目原則の精神」のルールに従
って自制的に行動して無駄なトラブルを回避していることが分かる。
◆中国当局も手を焼く漁民
中国は韓国との間でも黄海上の漁場について同様の取り決めをいろいろ結
んでいるが、この韓中の紛争の方が余程激しい。16年11月30日に韓国
の聯合ニュースが「黄海の違法中国漁船が前年比57%減」と報じたので、
「少しは事態が改善したのか」と思って読んで見ると、とんでもない、中国
漁船の振る舞いが余りにひどいので、業を煮やした韓国側が領海侵犯する
中国漁船に対しM60機関銃などを撃って撃退し、今後は機関銃のみなら
ず砲も発射するから覚悟しろと中国に通告した。
それでさすがに違法漁船が前年同月比で57%減ったのだが、減って何隻
になったのかと言うと何と1,712隻である。機関銃や砲を撃ち込んでもそれ
をくぐって月に1,700隻も押し寄せてくるのだから、昨年8月の尖閣北方
230隻くらいで驚いてはいけないのだ。
韓中間では双方に死者が出ることもしばしばで、12年12月に韓国の排他
的経済水域内で違法操業していた中国漁船が韓国海警の規制に抵抗、警
官を刺殺するという事件が起きた。その時に、中国の「人民日報」翼下の国
際メディア「環球時報」は社説で、次のように本音を吐露した。
中国は世界最大の漁民グループを有し、海岸線も長く、人口も世界一であ
る。しかし、中国近海の漁業資源は枯渇し、近年の操業エリアは公海へと
拡大している。漁民は漁具を購入するための元手を回収しなければならな
い。
漁民に漁業規律を厳格に守らせることは中国近海といえども難しく、中国
政府が宣伝教育により彼らに黄海上の中韓漁業協定を厳格に順守させる
ことは容易なことではない。漁民はコストを回収し利益を上げるために様々
なことを考えており、考慮の中には漁民自身による身の安全も含まれている。
中国人は一般的に韓国人よりも貧しく、中国人の教育レベルは韓国人ほど
高くない。中国の漁民に外交官のような品の良さを求めることは現実的では
ない……。
日本は、中国との間だけでなく台湾、韓国、ロシアとそれぞれに複雑怪奇と
しか言いようのない漁業権争いを抱えていて、これらを包括的に解決する日
本海・東シナ海の漁業資源管理のための多国間秩序を形成するのが筋道
だろう。台湾の馬英九=前総統は12年8月に「東シナ海平和イニシアティ
ブ」を発表した(写真)。
対立行動をエスカレートさせないよう自制する。
争議を棚上げにし、対話を絶やさない。
国際法を遵守し、平和的手段で争議を処理する。
コンセンサスを求め、「東シナ海行動基準」を定める。
東シナ海の資源を共同開発するためのメカニズムを構築する。
これをベースに議論を深めていくべきである。



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