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<<   作成日時 : 2017/10/12 23:32   >>

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亜細亜最新情報 ★ブレイクタイム★
●なぜ日本は、「中国包囲網」を主導してはいけないのか?
国際関係研究者の北野さんのもとに、読者の方から質問が寄せられました。
内容は日本の対中国・対北朝鮮政策に関するもので、先日も取り上げた安
倍総理の国連演説が「米国を差し置いた北朝鮮への挑発行為で、日本が第
一の標的にされるのではないか」という懸念も抱かれているようです。こ
れに対し、北野さんはどのように答えるのでしょうか。
★走りすぎ?北朝鮮問題で安倍総理は…
読者のOさまから、メールとご質問をいただきました。
北野様
いつも貴重で目から鱗の情報、ご意見を驚きをもって楽しみに拝見してい
ます。ところで最近の安倍首相の対北朝鮮対応については 疑問がありま
す。中国に対する戦略は相手の真の意図(尖閣、沖縄奪取、アジアの覇権
確立)を見抜き米国をうまく味方につけ、バックパッシング戦略を取るべ
きと主張されていますし私も確かにその通りと深く納得も致しました。
(米国と同調し、南シナ海等への侵略を批判するが 先頭に立って非難す
ることは避ける)。
北朝鮮に対する戦略も対中国と同様 バックパッシング戦略が妥当と考え
ますが、現在の安倍首相のやり方は 米国の後ろから応援するバックパッ
シング戦略よりもむしろ米国より先頭に立って国際社会で北朝鮮非難の
旗を振っており、かえって北朝鮮から第一の敵とみなされかねないよう
な危うい行動をしているように見えます。
この点(対中国とはあまりに異なる対北朝鮮戦略)について 北野先生は
如何に評価されていますか? 一度ご意見をお聞かせいただければ幸い
です。中国の話、北朝鮮の話に分けてお答えしようと思います。
★中国の「対日戦略」、日本の「対中戦略」とは?
まず、対中戦略からみます。
中国に対する戦略は 相手の真の意図(尖閣、沖縄奪取、アジアの覇権確
立)を見抜き米国をうまく味方につけ、バックパッシング戦略を取るべき
と主張されていますし私も確かにその通りと深く納得も致しました(米国
と同調し、南シナ海等への侵略を批判するが 先頭に立って非難すること
は避ける)。(Oさまのメールから)
アメリカを味方につける
先頭に立って中国を非難することは避ける
この二つはその通りです。ただ、バックパッシング戦略を取るべきと主張
されていますしという部分、少しコメントさせてください。
日本最大の脅威は、中国である。ほとんどの読者さんは、同意してくださ
るでしょうか?何といっても中国は、「日本には尖閣だけでなく、沖縄の
領有権もない!」と宣言している。そして、ロシア、韓国と共に、反日統
一共同戦線をつくろうとしている。さらに中国は、反日統一共同戦線に、
アメリカを入れようとしている。
新しい読者さんの脳内反応がよく見えます。「ちっ!トンデモ、陰謀論メ
ルマガに登録しちまった。容赦なく解除だ!!!!」。
普通の日本人は、そんな反応でしょう。ですから新しい読者さんは、こち
らの「絶対証拠」を必ずご一読ください。
■ 反日統一共同戦線を呼びかける中国
さて、中国に対抗する方法、論理的には簡単なんです。相手の戦略が見え
ているわけですから。
中国の戦略は、「アメリカ、ロシア、韓国と反日統一共同戦線をつくり、
尖閣、沖縄を奪う」です。であるなら、日本は、これを無力化するために
逆のことをやればいい。つまり、「アメリカ、ロシア、韓国との関係をま
すます強固にすることで、中国の対日戦略を無力化させる」。で、賢明な
安倍総理は、これをやっているのです。
アメリカと仲よくし(アメリカに反対されながらも)ロシアと仲よくし
(支持基盤の保守に反対されながらも)韓国と仲よくする
おかげさまで、中国は動けなくなり、日中関係もだいぶ良くなってきました。
★なぜ日本は、「中国包囲網」を主導してはいけないのか?
これは、第1にアメリカに「バックパッシングされる可能性があるから」
です。「バックパッシング」(責任転嫁)とは何でしょうか?
A国には、強大な敵C国がいます。でも、A国は、自分でC国と戦いたくあ
りません。だから、J国をC国とぶつけて、自分は「漁夫の利」を得るこ
とにしました。
つまり、アメリカは、中国を脅威と認識している。でも、中国はアメリカ
国債を世界一保有している国なので争いたくない。そこで、アメリカは、
日本を煽って中国にぶつける。日本は経済力第3位で、自衛隊もなかなか
強い。アメリカは、日中の戦いを静観し、自分だけ得をします。アメリカ
は、こういうことをする国です。
たとえば、03年の革命で、ジョージア(旧グルジア)には、親米反ロ傀
儡政権が誕生しました。ジョージアは、08年にロシアと無謀な戦争をし、
敗れ、結果二つの自治体を失いました(アプハジアと南オセチアは、独立
宣言し、ロシアが国家承認した)。
たとえば、ウクライナでは14年2月に革命が起こり、親ロシア・ヤヌコビ
ッチ政権が倒れました。そして、親米反ロの傀儡政権が誕生した。14年
3月、プーチンは、「クリミア併合」を決断します。14年4月、ドネツク、
ルガンスクが独立を宣言し、ウクライナで内戦が勃発します。これは、ど
うみても、「米ロ代理戦争」でした。
第2に、「梯子を外される」可能性がある。これは何でしょうか?
日本とアメリカは、元気よく「中国バッシング」をしていた。ところが、
アメリカで政権が交代し、「やっぱり中国とは仲良くしたほうがいいよね」
となった。それで、「日米 対 中国」という構図が壊れ、「日本 対 
中国」になってしまった。これも、十分ありえます。
たとえば、ロシアとジョージアの戦争は08年8月です。08年9月、リー
マンショックが起こった。それで、米ロとも戦い続ける力がなくなり、和
解することにした。いわゆる「米ロ再起動時代」が到来した。ジョージア
は、見事に梯子を外されたのです。ちなみに、ウクライナも、同じような
状態にあります。トランプは、米ロ関係がどうあれ、「親ロシア」。それ
で、ウクライナのポロシェンコ大統領に、非常に冷淡です。
だから、日本も、先頭を走って「中国バッシング」をするべきではありま
せん。日中関係は、米中関係と同じぐらいの暖かさ、あるいは冷たさであ
るべきです。
ここで再度Oさんの、バックパッシング戦略を取るべきと主張されていま
すし  私が「アメリカをバックパッシングしよう主張している」と解釈
されても仕方ないですが。私が主張しているのは、アメリカ、ロシア、韓
国との関係を強めることで、中国の「反日統一共同戦線戦略」を「無力化
」させましょう。
この一点です。ここに「アメリカをバックパッシングして中国にぶつけよ
う」という意図はありません。
たとえば、アメリカが、「対中国バランシング同盟をつくろうぜ!」と言
えば、日本はもちろん参加する。たとえば、アメリカが、「やっぱり、中
国とは仲良くするべきだよな」といえば、「おっしゃるとおり。平和が大
事です」と言って、日中関係を改善させる(とはいえ、中国が尖閣強奪に
動けないよう、日米関係は日中関係より強固である必要があります)。
これって、「結局対米従属ってことですか?」と憤る人もいるでしょう?
従属じゃないです。中国の戦略を無力化させるための対中戦略なのですか
ら。これは、日本の「主体的な選択」です。その証拠に、日本は、オバマ
さんに逆らってロシアと和解したではないですか?これは、中国の「反日
統一共同戦線」を無力化させるためです。「対米従属」であるなら、オバ
マさんから叱られて、「すいません。プーチンを日本に呼ぶのはやめます」
となったでしょう。
★安倍総理は、北朝鮮問題で走りすぎか?  次、北朝鮮いきます。
北朝鮮に対する戦略も 対中国と同様 バックパッシング戦略が妥当と考え
ますが現在の安倍首相のやり方は 米国の後ろから応援するバックパッシ
ング戦略よりもむしろ米国より先頭に立って国際社会で北朝鮮非難の旗を
振っており、かえって北朝鮮から第一の敵とみなされかねないような 危
うい行動をしているように見えます。(Oさまのメールから)
Oさまのおっしゃることは、もっともです。日本がアメリカ以上に北を挑
発すると、弾道核ミサイルが飛んでくる可能性があります。だから、トラ
ンプさんに前面に立っていただく必要がある(まだアメリカには、弾道核
ミサイルは飛んでこないのですから)。
米国より先頭に立って国際社会で北朝鮮非難の旗を振っており、かえって
北朝鮮から第一の敵とみなされかねないような危うい行動をしている
これは、おそらく安倍総理の国連演説のことでしょう。北朝鮮を挑発する
のは良くありませんが、国連演説については、「許容範囲」と思います。
世界のメディアを見ると、トランプ演説だけが取り上げられています。ト
ランプは、「ロケットマンが自殺行為の任務を進めている」「北朝鮮は完
全に破壊される」などと言った。(トランプは最近、「小さなロケットマ
ン」という言葉を連発しています。よほど、気に行ったのでしょう)。こ
れで、世界中のメディアが大騒ぎしている(しかし、トランプの支持層は、
こういう「カウボーイ的発言」が好きなのですね)。安倍総理の発言は、
ほとんど問題視されていません。
そして、金正恩も、トランプ発言にだけ異常に強く反応しています。「わ
が共和国を無くすとの宣戦布告を行った以上、われわれも相応の超強硬
対応措置の断行を慎重に考慮する」と。よほどムカついたのでしょう。
一方安倍総理の演説は、「なぜ北朝鮮との対話はムダなのか?」を論理的
に解説したものです。聞いた人は、「嗚呼、北は日米韓を、騙し続けてき
たのだな」と納得したことでしょう。
そうはいっても、Oさまの「北朝鮮非難の先頭に立つべきではない」とい
うご指摘はその通りですね。これからも、この点は、十分気をつけるべ
きでしょう。
●金正恩をイラッとさせた、トランプ氏「北のロケットマン」発言の罠
トランプ米大統領は先日、北朝鮮の金正恩氏に対して「ロケットマン」
「マッドマン」などと言い放ち挑発、これに対し金正恩氏は初めて自らの
名前で声明を出して応戦。事態はますます混迷を極めていますが、国際関
係研究者の北野さんは、北朝鮮問題をどのように見ているのでしょうか。
各種報道等を引きながら、トランプ大統領の「真の狙い」と金正恩氏が置
かれた状況について持論を記しています。
★大舌戦! トランプvs金正恩
トランプさんと金正恩さんの「舌戦」が激化しています。核保有国同士の
「舌戦」。笑えませんね。時系列に見てみましょう。
9月19日、トランプは、国連総会で演説しました。産経新聞9月20日か
ら。北朝鮮の金正恩体制について「ロケットマンが自殺行為の任務を進め
ている」と述べ、北朝鮮の核・弾道ミサイルは金体制の崩壊につながると
警告。「米国はあらゆる手段を講じて自国と同盟国を防衛する」と言明す
るとともに、もし軍事攻撃に踏み切る事態となれば「北朝鮮は完全に破壊
される」と強調した。
「ロケットマンが自殺行為の任務を進めている」。この「ロケットマン」
というあだ名は、定着しそうです。
「北朝鮮は完全に破壊される」。可能性はありますね。
★トランプ、独自制裁を強化
9月21日、トランプは、北朝鮮に対する制裁を強化する大統領令を出し
ました。(国連安保理とは関係ない、アメリカの独自制裁です。しかし、
アメリカは、世界1の経済大国ですから、影響は大きいです)。
トランプ氏「北の資金源絶つ」…経済封鎖目指す
読売新聞 9/22(金)1:50配信
【ニューヨーク】トランプ米大統領は21日、北朝鮮との貿易や金融取引、
航空機・船舶の移動を厳しく制限する大統領令に署名した。違反した場合、
財務長官が米国内の資産を凍結し、米国との取引を禁じる金融制裁措置を
発動する。米国による独自制裁の範囲を大幅に拡大し、北朝鮮と国際社会
のカネとモノの流れを遮断する「経済封鎖」の実現を目指したものだ。
主なターゲットは、北を支援している中国やロシアですね。たとえば中国
の銀行が、北朝鮮と取引している。それがばれると、同行のアメリカ資産
は凍結される。そして、アメリカ金融機関や企業との取引が禁止される。
普通の金融機関、企業に、「アメリカと取引するか、北朝鮮と取引するか、
選べ!」と聞けば、99%は「アメリカと取引する」となるでしょう。
★怒りの金正恩
さて、トランプの国連演説に激怒した金正恩は、初めて「自分の名」で声
明を出します。<北朝鮮>正恩氏「超強硬対応」 太平洋で水爆実験を示
唆  毎日新聞 9/22(金)11:41配信
【ソウル】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は21
日、米国のトランプ大統領の国連演説に強く反発する「国務委員長声明」
を発表した。
声明は「世界の面前に出て私と国家の存在そのものを否定し侮辱した」と
批判、「わが共和国を無くすとの宣戦布告を行った以上、われわれも相応
の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」と威嚇している。朝鮮中央通
信が伝えた。金委員長がこうした声明を発表するのは初めて。
「わが共和国を無くすとの宣戦布告を行った以上、われわれも相応の超
強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」だそうです。「超強硬対応措置」
とは何でしょうか?
聯合ニュースによると、国連総会出席のためニューヨークを訪問している
北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、声明にある「超強硬措置」に関す
る記者団の質問に「おそらく水素爆弾実験を太平洋上でやるということに
なるのではないか」と語ったという。核弾頭を装着した弾道ミサイル発射
実験を示唆したものとみられる。
「水爆を乗せた弾道ミサイルを、太平洋にぶっ放す」ということでしょう
か。
★金正恩は「マッドマン」
トランプも負けていません。翌22日。
トランプ氏は自身のツイッターに「飢える国民を顧みない、明らかにマッ
ドマン(狂人)のキム・ジョンウンは、これまでになく試されることにな
る」と書き込んだ。(毎日新聞9月22日)
「ロケットマン」の次は、「マッドマン」だそうです。
★トランプの言葉は「計算」、金正恩は「激昂」
なんか、小学生のケンカみたいになってきました。小学生の悪口の言い合
いは、しばしば取っ組み合いのケンカに転化します。しかし、トランプは
「計算ずく」でやっている気がします。彼は、大統領選期間中も、メチャ
クチャ口が悪かった。インテリは、「もうやめてくれ!」と耳をふさぎま
したが、勝ったのはトランプでした。
トランプは、金を「ロケットマン」「マッドマン」と罵倒します。それで、
金正恩は、「大平洋で水爆実験をする!」と言う。それをやったら、どう
なるでしょう?彼を待っているのは、さらなる国際的孤立です。日米は、お
そらく「今度こそ、完全な石油禁輸を! 今度こそ、金正恩の資産凍結を!」と要求するでしょう。中国、ロシアも、ますます北を守ることが難しくなっていきます。
あるいはトランプさん、金が暴発するよう誘導しているのかもしれません。かつてルーズベルトが日本にしたように。
北が先に攻撃すれば、「トランプのせいでたくさん犠牲者が出た」という非難はされなくなる。「卑劣な『ロケットマン』『マッドマン』が、先に撃ったのだ!」と。
金正恩、ますます追い詰められてきました。



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