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zoom RSS 亜細亜最新情報 7/28

<<   作成日時 : 2017/07/28 06:47   >>

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亜細亜最新情報 ★ブレイクタイム★
●「戦闘モード」に韓国を引き込んだ米国
トランプと文在寅は「かりそめの同盟強化」を謳った
トランプ(Donald Trump)大統領がいとも簡単に文在寅(ムン・ジ
ェイン)大統領をねじ伏せた。
★対話を勧めるはずが
鈴置:米韓は6月29、30日、ワシントンで首脳会談を開きました。
文在寅大統領は北朝鮮との対話を勧めに訪米しました。しかしトラ
ンプ大統領は逆に、韓国を北朝鮮包囲網に引き込みました。
会談後に発表された共同声明「Joint Statement between the
United States and the Republic of Korea」(6月30日、英語)
で韓国は「北朝鮮の核武装に全力で立ち向かう」と約束させられま
した。
まず、共同声明は最初のパラグラフで「両大統領は北朝鮮の脅威に
共同して立ち向かうとの約束を確認した」と謳いました。原文は以
下です。
both presidents remain committed to jointly addressing the
threat posed by the Democratic People’s Republic of Korea
(DPRK).
 2パラ目では「韓国は北朝鮮の核・ミサイルの脅威を打ち砕くため
に必要な共同防衛能力を引き続き確保していく」と踏み込みました。
The ROK will continue to acquire the critical military
capabilities necessary to lead the combined defense, and detect,
disrupt, destroy, and defend against the DPRK’s nuclear and
missile threats,
★金正恩は「はったり」
北朝鮮が着々と核武装を進めています。当然の合意と思いますが……。
鈴置:文在寅政権に「常識」は通用しません。いまだに「金正恩(キ
ム・ジョンウン)の核武装計画は『はったり』に過ぎない。本心は対
話を望んでいる」と主張しているのです。6月20日の米CBSとのイン
タビューでも以下のように語りました。
there is a possibility that Kim Jong Un continues to make the
bluff with his nuclear weapons programs. But deep inside he
is actually yearning or wanting dialogue.
だから米国は「北の脅威に真正面から立ち向かう」との念書を文在寅
大統領に書かせたのです。
文在寅政権は「北朝鮮が核・ミサイル実験を中断すれば無条件で対話
に応じる」とも宣言していました。いわゆる「凍結論」です(「『米
韓合同演習』を北に差し出した韓国」参照)。「はったり」との認識
を持つ以上、そうなるのでしょう。
これに対し、米国や日本は「韓国の主張する対話路線は北朝鮮に核武
装のための時間とカネを与えるだけ」と危惧しています。対話を始め
れば、北朝鮮はその最中は経済制裁を強化されないし、攻撃もされな
いからです。
米国は文在寅政権の対話路線にはっきりと歯止めをかけました。共同
声明の5パラ目で「両国は北朝鮮との対話において緊密に協調する」
つまり「抜け駆けして安易な対話に走るな」と韓国を縛り上げたので
す。
The two sides will closely coordinate on a joint the DPRK policy,
including efforts to create conditions necessary for
denuclearization talks, through a high-level strategic
consultation mechanism.
★大統領が作った虚報
「米韓は対話路線で合意した」とのニュアンスで報じられもしました
が……。
鈴置:虚報です。会談直後の共同記者会見で、文在寅大統領が「韓米
は段階的・包括的アプローチで対応することを決めた」と述べました。
これが誤解のもとになりました。
C-SPANの「President Trump and South Korean President Joint
Statement」(6月30日、英語の動画)の開始10分25秒あたりから
です。
韓国では「段階的アプローチ」は北朝鮮が核・ミサイル実験を中断す
れば対話に応じる「凍結論」の同義語として使われます。そこで一部
の韓国メディアは米国も緩い条件での南北対話を受け入れるかのよう
に報じたのです。
事実ならニュースですから、それを見出しにとった韓国紙もありまし
た。例えば、ハンギョレの共同声明に関する記事の見出しは「韓米首
脳『段階的・包括的アプローチで北の核を解決』」(7月1日、韓国
語版)でした。
しかし会見でトランプ大統領は「段階的」には触れませんでしたし、
7時間後に発表された共同声明にも盛り込まれなかった。結局、文在
寅大統領は自身の「凍結論」を修正する羽目に陥りました。
6月30日のCSISでの講演の後、質問に答えて「対話への条件は今の
段階で特定しない方が賢明だ」と発言、大きく後退したのです。
聯合ニュースの「文大統領『THAADは主権事項……中国は不当な経済
制裁を撤回すべき』」(7月1日、韓国語版)が伝えています。
★「撤収」にはぐうの音も
なぜ、そんないい加減なことを大統領が会談直後の共同会見で語った
のでしょうか。
鈴置:分かりません。「米国の言いなりにはなっていない。自分の要
求を通した」と国民にアピールしたかったのかもしれません。
共同声明の「トランプ大統領は人権問題を含む、南北対話にかける文
大統領の熱意への支持を表明した」とのくだりをもって、そう主張し
たのかもしれません。6パラ目で、以下です。
President Trump expressed support for President Moon’s
aspiration to restart inter-Korean dialogue on issues,
including humanitarian affairs.
しかし、5パラ目では米韓が北朝鮮に敵対的な姿勢を変更する条件と
して「北朝鮮が正しい道を選べば」( if it chooses the right
path)と明記しています。要は、核武装放棄を明確にしたら対話す
る、ということです。
「『凍結論』など韓国の望み通りの南北対話に米国が賛成した」と
はとても言えないのです。まあ、大統領の発言のいい加減さにいちい
ち考え込んでも意味はありません。韓国では「事実」はさほど重要
視されないのです。
ではなぜ、文在寅大統領はトランプ大統領の要求を丸呑みしたのでし
ょうか。
鈴置:米韓同盟を打ち切るぞ、と言われたら韓国はぐうの音も出ない
のです。文在寅大統領ら左派はともかく、ほとんどの韓国人が米国の
軍事同盟を頼りにしています。
もし、米韓首脳会談が決裂したら韓国は大混乱に陥っていたと思いま
す。左派系紙、ハンギョレでさえそれを恐れる社説を載せていたので
す(「『韓国の鳩山』に悲鳴をあげる保守系紙」参照)。
「今こそ、韓国は選べ」
トランプ大統領が「同盟を止めるぞ」と言ったのですか?
鈴置:それは確認されていません。しかしワシントンでは「北朝鮮に
内通する韓国」への怒りが高まっていました(「『THAAD封鎖』でい
よいよ米国を怒らせた韓国」参照)。
文在寅大統領の訪米直前に、米議会では「米韓同盟を打ち切るべきだ」
との声まで出ていたのです。火の手は、韓国の裏切りの象徴とも言う
べきTHAAD(地上配備型ミサイル防衛システム)からあがりました。
6月23日、超党派の上院議員19人がトランプ大統領に手紙を送りま
した。聯合ニュースの「U.S. senators call on Trump to use
summit with S. Korea to find way to quicken full
THAAD deployment 」(6月26日、英語版)によると、その内容は以
下です。
THAADの完全な配備を阻害する韓国政府の手続きについて、文大統領
と検討すべきだ。
THAAD配備は同盟国同士の決定であり、在韓米軍と数百万人の韓国人
を保護するための決定であることを、文大統領に対し念を押さねばな
らない。
6月28日には米下院外交委員会で共和党のシャボット(Steve Chabot)
議員が以下のように語りました。中央日報の「Moon talks to Congress
on Thaad」(7月1日、英語版)から引用します。
文大統領の(THAAD配備を遅らせた)指示は大きな失敗だ。米軍を危
険にさらした。
我々は韓国に「THAAD配備か在韓米軍の撤収か」を選択させなければ
いけない。
THAAD問題はどうなったのですか?
鈴置:米韓の間で折り合いが付きそうにないので、首脳会談では触れ
ない、あるいは話題が出なかったことになりました。これに関する発
表は一切ありません。
★習近平に会えば、また裏切る
THAADには兵士の命がかかるだけに、米議会も必死ですね。
鈴置:もちろんです。韓国防衛のために駐留する米軍兵士を守るのが
THAADです。その配備を「環境評価が終わっていない」と、へ理屈を
こねて韓国は邪魔する。裏切り――それもこんな陰湿な手口による裏
切りを知った米国人は怒り心頭に発しています。
でも今回の首脳会談の結果、文在寅大統領もようやく米国とスクラム
を組むことになる……。
鈴置:まだ分かりません。7月7、8日にドイツで開く20カ国・地域
(G20)首脳会議で、文在寅大統領は習近平主席と会談します。この
場で習近平主席から脅されれば、たちどころに手のひら返しするかも
しれません。
6月30日のCSISでの講演で、文在寅大統領は「THAAD配備前に韓国
が中国と十分協議していないのは事実。配備を最終決定するまでに
中国と協議できる」と語りました。「中国の許可が要る」との認識
を米国で示したのです。
発言は「文大統領『THAADは主権事項……中国は不当な経済制裁を撤
回すべき』」(7月1日、韓国語版)が伝えました。
 THAAD以外の問題でも「北朝鮮の核問題に全力で向き合う」との合
意を反故にする可能性があります。もともと、文在寅大統領は嫌々
に合意していたのです。
米中の間で板挟みになった場合「より恐ろしい中国の言うことを聞こ
う」と言い出す人が出るのが韓国です(「『南シナ海』が加速させる
『韓国の離脱』」参照)。韓国はまだまだ、米中間で揺れ続けるで
しょう。
米国はどうするつもりですか。
鈴置:「いずれ裏切るだろうが、とりあえずは手元に引き寄せておく」
くらいの感じと思います。米国にとって今、必要なのは日米韓による
対北圧力を最大限に高めることです。
それには韓国の寝返りを阻止することが必須です。米韓首脳会談を生
かして、韓国を「戦闘モード」に引き込んだのもそのためでしょう。
浮上した「米中取引説」
北朝鮮に舐められないためですね。
鈴置:もちろんそうです。それに中国をも意識していると思います。
トランプ大統領は米国の軍事的な圧力と、中国の経済制裁で北朝鮮に
核武装を放棄させる作戦です。
しかし中国には経済制裁の動機が乏しい。それどころか国運に大きく
響くリスクばかりです。金正恩から核を取り上げれば体制が崩壊し、
難民が中国に押し寄せる。ひょっとすると在韓米軍が北上し、中国の
目と鼻の先に迫るかもしれない。
そんな懸念を抱く習近平主席に、トランプ大統領は中国の経済封鎖に
対する「見返り」を提示した可能性があります。在韓米軍の撤収、あ
るいは米韓同盟の廃棄です。
4月の米韓首脳会談の後、トランプ大統領は「韓国は歴史的に中国の
一部だった」と語りました。「朝鮮半島は中国の勢力圏に戻ってもお
かしくない」との認識を意味するこの発言。「中国との取引」を示唆
したとも受け止められました(「『韓国は中国の一部だった』と言う
トランプ」参照)。
その後、ハーバード大学のアリソン(Graham Allison)教授もキュー
バ危機の際の米ソの例を引いて「米中の取引」を予測しました(「『
韓国の鳩山』に悲鳴をあげる保守系紙」参照)。
熟柿が落ちるのを待つ
でも、その「取引」が怪しくなってきた。
鈴置:そこがポイントです。韓国に「反米親北」の文在寅政権が登場
した。中国とすれば、対北制裁などという返り血を浴びる面倒なこと
をせずとも、米韓関係はどんどん悪くなる。
黙っていても、在韓米軍の撤収、さらには米韓同盟廃棄を期待できる
ようになったのです。こうなると、北朝鮮の核問題が解決しない方が
中国にとってはよりいい。北への対応を巡って、米韓関係がますます
悪化しますからね。
韓国の親米保守派が心配していた通りになりました。
鈴置:成均館(ソンギュングァン)大学の金泰孝(キム・テヒョ)教
授が朝鮮日報への寄稿「米国は北朝鮮より韓国を懸念する」(4月3
日、韓国語版)で、以下のように書いていました。
中国にすれば、韓国の次期大統領さえちゃんと(反米派が)選ばれれ
ば問題は解決する。あえて米国と韓米関係で争う必要はない。
米国はどうするのでしょう?
鈴置:米韓関係が極めて良好であるかのように演じるしかありません。
今回、トランプ大統領が文在寅夫妻をホワイトハウスの私的エリアに
案内したのもそのためでしょう。韓国に対する怒りを押し殺し「個人
的にも深い関係を結んだ」と世界に向け演技したわけです。
独立記念日の挑発
トランプ大統領がいつまで「裏切り者」への怒りを抑えておけるので
しょうか?
鈴置:そんなに長い間、我慢する必要はありません。北朝鮮の核問題
は煮詰まっています(「『第2次朝鮮戦争』を前に日米を裏切る韓国」
参照)。
7月4日――米国の独立記念日に北朝鮮は弾道ミサイルを発射したう
え「ICBM(大陸間弾道弾)の発射実験に成功した」と宣言しました。
米国は、自国に届く核ミサイルを持つ危険な敵を放置する国ではあり
ません。軍事攻撃か交渉かは分かりませんが、近いうちに解決に向け、
動くはずです。
トランプと相性のいい文在寅
その時、米韓同盟破棄――「韓国の切り捨て」は交渉カードとして活
用できます。例えば、中国に対し「金正恩後の北朝鮮」のあり方に注
文を付けたい時は、「韓国との同盟を止める」と交換条件を示せるの
です。
韓国に「反米」政権が生まれたことで、米国はやりやすくなったので
す。保守政権なら「捨てないで」とすがりつかれるかもしれない。
他の同盟国にも悪影響を及ばさない。「同盟を打ち切られたのは韓国
があれほどの無礼を働いたから」と誰もが考え「見捨てられ」のパニ
ックは起きないからです。米国は「子供っぽい反米ごっこをやったら
韓国みたいに捨てるぞ」と言えるようにもなるわけです。
皮肉な意味で「韓国を見捨てそうな」トランプ大統領と、文在寅大統
領は相性がいいのかもしれません。文在寅大統領も韓国軍の戦時作戦
統制権の返還を求めるなど「米国からの独立」を悲願としていますか
らね。
●「米帝と戦え」と文在寅を焚き付けた習近平
中韓首脳会談で「反米自叙伝」を称賛
米国が韓国を「戦闘モード」に引き込んだら、即座に中国が返し技。
韓国を米国から引きはがしにかかった。
主導的な努力を支持
鈴置:7月6日午前、ベルリンで開いた中韓首脳会談で、習近平主席
は文在寅(ムン・ジェイン)大統領に「米国の言いなりになるな」と
教示しました。
聯合ニュースの「習主席 文大統領の対北姿勢を支持=初の会談で」
(7月6日、日本語版)から引用します。
習近平主席は文大統領との初会談で「南北対話再開と南北間の緊張緩
和によって朝鮮半島に平和を定着させようとする文大統領の主導的な
努力を支持し、積極的に協力する」と述べた。韓国大統領府(青瓦台)
が伝えた。
米国は北朝鮮の非核化のためなら軍事行動も辞さない構えです。一方、
韓国はあくまで対話で解決すべきだと主張しています。
習近平主席は文在寅大統領に「米国に平和的な解決を要求し続けろ」
と申し渡したのです。もちろん米韓にスクラムを組ませないようにす
るためです。
新華社の記事「習近平中国主席、文在寅韓国大統領と会見」(7月7
日、韓国語版)によると、習近平主席が使った言葉は「主導的な努力」
ではなく「積極的な試み」でしたが、意味は同じでしょう。
アメリカの言いなりになるな
神戸大学大学院の木村幹教授は習近平発言を受け、以下のようにツイ
ートしました。
「韓国の主導的な役割を期待」って、普通に考えてアメリカの言いな
りになるなよって事だよなぁ。
習近平主席はよほど米韓の間にくさびを打ち込みたいのでしょう、会
談では文在寅大統領の著書まで引用しました。
聯合ニュースの「習近平、文大統領の自叙伝の中の『長江後浪推前浪』
に言及し『注目』」(7月6日、韓国語版)は以下のように伝えました。
習主席は「長江の後ろの波が前の波を押すとの名言を自叙伝に引用し、
政治的な所信を明らかにしたことに対し深い印象を持った」と述べた。
自叙伝とは『文在寅の運命』(2011年6月刊、2017年5月に再刊)で
す。前書きに次のくだりがあります。
河の水は左に激しくぶつかり、右に急角度で曲がりもするが、結局は
海に行く。「長江後浪推前浪」というではないか。そのように長江の
後ろの波が、盧武鉉(ノ・ムヒョン)と参与政権という前の波を滔々
と押し通さねばならない。
盧武鉉の遺志を継ぐ
「前の波を後ろの波が押す」とは?
鈴置:故・盧武鉉大統領の遺志を継いで、その理想――左派が望む韓
国を作り上げる――との決意表明です。
1982年、文在寅氏は盧武鉉氏と共に人権派の弁護士事務所を立ち上
げました。盧武鉉政権(2003―2008年)時代には青瓦台の民情首席
補佐官や、NO2の秘書室長を務めた政治的な盟友でもあります。
盧武鉉大統領は退任して1年3カ月後の2009年5月、自宅の裏山か
ら飛び降り自殺しました。親戚や側近が収賄などの罪で続々と逮捕さ
れ、本人も検察の取り調べを受け始めたところでした。
当時は保守の李明博(イ・ミョンバク)氏が政権を握っていましたか
ら、韓国の左派は政治的弾圧と憤慨、文在寅氏も政権奪回を誓ったの
です。
この自叙伝は「保守が韓国を誤った方向に動かしている。我々進歩派
が正しい道に引き戻す」との宣言だったのです。
14年前のデジャブ
それと習近平主席がどう関係するのでしょうか。
鈴置:盧武鉉政権発足時の2003年も今と同様、東北アジアは北朝鮮
の核問題で揺れていました。北朝鮮が2003年1月、NPT(核拡散防
止条約)脱退を宣言し、核武装の決意を露わにしたからです。
1993年3月に続く2度目の脱退表明でした。米国のタカ派は1993
―1994年の第1次核危機の時と同じように、北朝鮮の核施設への空
爆を主張しました。
『文在寅の運命』は、その際の盧武鉉政権の対米外交を回想してい
ます。265−266ページから関連部分を翻訳します。
2003年5月の(盧武鉉)大統領の初訪米は記憶に残る。当時、米国
が準備した韓米共同声明の草案には北の核問題に対し「すべてのオ
プションを排除しない」との米国の立場が含まれていた。簡単に言
えば「(戦争を含む)すべての手段を辞さない」ということだ。
その文章を「対話を通じた平和的解決」に変えようと、安保担当チ
ームが大変な苦労を重ねた。外相も米国は我々の要求を受け入れな
いと悲観的だった。しかし大統領は強くこだわった。結局、首脳会
談で我々の要請が受け入れられた。
「6カ国協議は韓国が作った」
14年前も「北の核」が問題になっていたのですね。
鈴置:文在寅大統領にとって今回の訪米は「成功体験」を再現すべ
き旅だったのでしょう。だからトランプ大統領が約束していないの
に、首脳会談後の会見で「韓米は段階的・包括的アプローチで対応
することを決めた」と述べ、対話路線で合意したかのように振る舞
ったのです(「『戦闘モード』に韓国を引き込んだ米国」参照)。
この自叙伝ではなおも「成功体験」が語られます。2003年当時、盧
武鉉政権は支持層を含む国内の強い反対にもかかわらず、米国の要
請に応じてイラクに兵を派遣しました。『文在寅の運命』の270ペ
ージには以下のくだりがあります。
難しく苦痛に満ちた決定だったが、派兵を契機に北朝鮮の核問題は
大統領が望んだ方向に進んだ。米国の協調もあり6カ国協議という
多者外交の仕組みを作った。6カ国協議を通じ、この問題を対話に
よる外交的な方法で解決できるようになった。
6カ国協議は韓国が作ったのですか?
鈴置:初耳です。韓国以外の関係者にそうした認識はありません。
文在寅氏は何が何でも「平和を志向する左派政権の功績」を強調
したいのでしょう。
そもそも「6カ国協議が成功だった」と見る人は今やほとんどいま
せん。これで無駄な時間を費やしているうちに北朝鮮は核実験を成
功させ、大陸間弾道弾まで完成したのですから。
筋金入りの反米左派
とても「成功」とは言えませんね。
鈴置:でも、文在寅大統領がそう考えている以上、中国はそれを利
用します。習近平主席の「『長江後浪推前浪』を引用したことに深
い印象を持った」との発言。
韓国の左派政権は2003年にも米国の北爆論を抑え、平和を守った
ではないか。その遺志を継ぐことが「後ろの波」として当然だ――
と煽っているわけです。
しかし文在寅大統領はトランプ大統領から「戦闘モード」に組み込
まれたばかりです。
鈴置:確かに、中国が嫌がっていた「日米韓3国の安保協力」にも
文在寅大統領は同意させられたのです。ただ、上手にやれば韓国を
米国からひきはがせる、と中国は自信を持っていると思います。
文在寅大統領が筋金入りの反米左派だからです。『文在寅の運命』
では大学時代(1972―1975年)に最も影響を受けた人として反米
左派の思想家、李泳禧(リ・ヨンヒ、1929―2010年)氏を挙げて
います。131ページから引用します。
初めて接した李泳禧先生の論文は衝撃的だった。ベトナム戦争の不
道徳性、帝国主義的なその戦争の性格、米国内の反戦運動などであ
る。結局は超強大国、米国が決して勝つことはできない戦争という
ことだ。
ベトナム戦争と二重映し
1960年代後半から1970年代前半にかけて、世界中でベトナム戦争
への反対運動が繰り広げられました。韓国の、いわゆる「軍事独裁
政権」は街頭運動を許しませんでした。しかしある意味で、他の国
以上に韓国の若者の心には米国への疑念が植え付けられたのです。
反米左派はベトナム戦争を、覇権実現のため米帝国主義が外国の内
紛に介入し、同民族同士を戦わせるという図式で描きました。
そんな論文や本を読んだ韓国の若者の目に、ベトナム戦争は朝鮮戦
争や、それに引き続く南北朝鮮の厳しい対立と二重映しになったの
です。
韓国軍もベトナムに派遣され「もう1つの帝国主義戦争」によって
5000人もの韓国兵が命を落とすという現実に直面していたのです。
『文在寅の運命』では、李泳禧氏の論文や著書に大きな衝撃を受け
た結果、自身が米国に対しいかに深い不信感を抱くに至ったかも描
写しています。131ページです。
米国を無条件に正義と受け止め、米国の主張は真実と思う。それに
反する勢力はとにかく叩くべき悪と決め付ける――。そんな我が社
会の姿を(李泳禧氏が)丸裸にしたのだ。彼の論文と本を通じ、手
本とすべき知識人の秋の霜のような姿勢に出合うことができた。
国民に読ませたい「反米本」
若い時に強烈な反米感情を抱いたとしても、60歳を過ぎてそれが持
続するものでしょうか。
鈴置:2017年の大統領選挙の際、東亜日報が有力候補者に「国民に
読んでほしい本」を聞いたことがあります。
同紙の「この地で国民と共に読みたい本」(4月24日、韓国語版)
によると、文在寅氏は米国のベトナム介入を批判した李泳禧氏の『
転換時代の論理』を挙げています。
若い時に培った世界観は変わらないということでしょうか。
鈴置:それもありますが、朝鮮半島では南北の激しい対立がいまだ
に続いていることが大きいと思います。「南北分断の責任は米国に
ある」と考える人にとって「米帝」は現在の問題なのです。
なお『文在寅の運命』には、弁護士時代の盧武鉉氏も「李泳禧先生
の影響を大きく受けた」(132ページ)とあります。
2007年11月、盧武鉉氏は大統領として米国のゲーツ(Robert Gates)
国防長官とソウルで会った際「アジアの安全保障上の最大の脅威は
米国と日本である」と語ったことがあります。
ゲーツ長官は著書『Duty』の416ページで「盧武鉉大統領は反米主
義者であり、たぶん少し頭がおかしいと私は判断した」と書いてい
ます。「米帝が諸悪の根源」と考える人たちにとって、当然の発想
なのではありますが……。
「鳩山」に例えては失礼
「韓国の鳩山」ですね。
鈴置:朝鮮日報の鮮于鉦(ソヌ・ジョン)社会部長は文在寅大統領
を鳩山由紀夫・元首相に例えました(「『韓国の鳩山』に悲鳴をあ
げる保守系紙」参照)。
「米国との同盟を危うくする指導者」という点では共通しています。
ただ、2人を並べるのは文在寅大統領に対し失礼な気がします。
鳩山元首相が主張した「対等な日米関係」は思い付きに過ぎません
でした。深い信念を持っていたわけでもなく、普天間基地の移転問
題でも当初の主張をすぐに引っ込める羽目に陥ったのです。
一方、文在寅大統領は骨の髄からの反米主義者です。だからこそ、
習近平主席がそれを見込んで「自叙伝は読んだ。米国を憎む心情は
よく分かった。本性を現わせ。民族の内部対立を煽る米国と戦え」
と教唆したのです。
中立化のドミノ
中国の目的は米韓分断ですね。
鈴置:その通りです。強力な制裁で北朝鮮に核の放棄を迫りたい米
国陣営を内側から崩す。もし、米国が軍事行動を始めそうになった
ら「中立化のドミノ」を韓国に起させるのが狙いでしょう。
韓国に「米朝の戦いには中立を守る。韓国軍は参戦しないし、在韓
米軍基地も使わせない。だから北朝鮮は韓国を攻撃しないでほしい」
と宣言させるのです。
韓国が中立を宣言する可能性はありますか?
鈴置:あります。北朝鮮の核武装を阻止するためであっても、自分
の家に砲弾やミサイルが飛んでくるのは避けたいと多くの韓国人が
考えています。
ことに反米左派にとって、帝国主義の米国と肩を並べて同族の北朝
鮮と戦うのは「民族の反逆者」になることを意味します。
もっとも米国は地上戦をするつもりはないので、韓国軍の助けはあ
まり要らない。在韓米空軍基地も北朝鮮と近すぎて使いにくい。韓
国が中立を言い出してもさほど困りません。
ただ「戦争好きの安倍」を憎んでいる日本人は「韓国の平和勢力と
手を携え、日本も中立を宣言しよう」と言い出すことでしょう。在
日米軍基地がないと米国は第2次朝鮮戦争を戦えません。そうなっ
たら、中国の思うつぼです。
中国が韓国に対し、大統領が好む中国語の成句まで持ち出して「米
帝に抗せよ」と言い出したのには、こんな背景があるのです。
(次回に続く)
■北朝鮮の核武装を巡る動き(2017年6―7月)
6月29日米財務省、北朝鮮の資金洗浄に関わった中国・丹東銀行の
米金融機関との取引を禁止
6月29日米、台湾に迎撃ミサイルなど14億ドル相当の武器売却を
決定
6月29日文大統領、米下院指導部に「THAAD配備の合意を覆す考え
はない」
6月29日、30日ワシントンで米韓首脳会談。共同声明で「日米韓3
国の安保協力で北朝鮮の脅威を抑止に合意」
7月2日米、南シナ海で航行の自由作戦。中国外務省は「挑発」と
非難
7月2日トランプ大統領、安倍首相に電話し「3国の安保協力含む北
朝鮮への圧力強化」を確認。習主席との電話では北朝鮮の核・ミサ
イルの脅威を強調
7月3日文大統領、バッハIOC会長に「北朝鮮も平昌五輪に参加を」
7月4日北朝鮮、日本海に弾道弾1発発射、日本のEEZに着弾。トラ
ンプ大統領、ツイッターで「日韓はこれ以上我慢しない。中国も強
い対応に出る」
7月4日北朝鮮「ICBM『火星14』の発射実験に成功」
7月4日ティラーソン国務長官、4日の弾道弾はICBMと確認し「強
く非難」
7月4日モスクワで中ロ首脳会談。共同声明で「北朝鮮の核・ミサ
イル開発の凍結と引き換えに米韓合同軍事演習の中断」を要求
7月5日米韓、弾道弾発射の初の合同演習を実施
7月5日ヘイリー米国連大使「やむをえない場合、軍事力を行使する」
7月6日ベルリンで中韓首脳会談。習主席「韓国の対話解決の姿勢
を支持」
7月6日文大統領、南北首脳会談を呼びかけるベルリン宣言を演説
7月6日ハンブルグで日米韓首脳会談。3カ国の緊密な連携を確認
7月6日ロイター「米検察が欧米8行の北朝鮮資金差し押さえ」と
報道
7月6日マティス国防長官「外交はまだ失敗していない」
7月6日ロシア、北朝鮮への制裁強化を求める安保理報道声明案を拒

7月7日ハンブルグで日韓首脳会談。安倍首相が「対話の時ではない
」と述べたのに対し文大統領は「対話再開が必要だ」
7月7日ハンブルグで米ロ首脳会談。北朝鮮への対応に関し「戦略
とペースの点で見解の相違が残る」
7月7日ハンブルグで開いたG20首脳会議の会見でメルケル首相「
国連安保理が妥当な答えを見つけることを期待する」
7月8日米B1B戦略爆撃機2機がグアムから韓国・江原道上空に飛
来、韓国空軍機と北朝鮮を精密爆撃する訓練を実施
7月8日ハンブルグで日米首脳会談
7月8日ハンブルグで米中首脳会談。トランプ大統領は「思った以
上に時間がかかるかもしれない」。習主席は対話を強調したうえ、
THAAD配備に反対
7月11日日本で改正組織犯罪処罰法が施行
7月11日米国防総省、THAADによる弾道弾の迎撃実験。14回目で
100%成功率を維持




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