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<<   作成日時 : 2017/12/07 18:13  

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亜細亜最新情報 ★ブレイクタイム★
●かつてアメリカ人が、美術品を“爆買い”した理由
いま、「美術史」に注目が集まっている――。社会がグローバル化する中、
世界のエリートたちが当然のように身につけている教養に、ようやく日本
でも目が向き始めたのだ。10月5日に発売されたばかりの『世界のビジネ
スエリートが身につける教養「西洋美術史」』においても、グローバルに
活躍する企業ユニ・チャーム株式会社の社長高原氏が「美術史を知らずし
て、世界とは戦えない」とコメントを寄せている。そこで本書の著者・木
村氏に、知っておきたい「美術」に関する教養を紹介してもらう。今回は、
アメリカで美術館文化が根付いた理由について。
なぜアメリカ人は、美術品を買い漁ったのか?
19世紀末に経済的に発展を遂げ、20世紀には世界一の経済大国となった
のがアメリカです。19世紀後半以降のヨーロッパの文化は、芸術、ファ
ッション、そしてワインでさえも、このアメリカ人が有する莫大な富によ
り支えられることになります。
アメリカ人がヨーロッパの美術市場に影響を与え、そして牽引していくよ
うになるのは19世紀後半になってからのことでした。南北戦争(1861〜
65年)終結後のアメリカは繁栄期を迎え、アスター、ヴァンダービルト、
モルガン、ロックフェラーなどの大財閥が台頭。経済的にはヨーロッパの
一歩先を歩むようになっていきます。そして、国内がまとまり落ち着いた
19世紀後半以降、アメリカ人はその莫大な富の力で美術品のみならずアン
ティークの家具や美術工芸品を買い漁りました。
その背景にあったのは、純粋な芸術・文化に対する憧憬です。ヨーロッパ、
とくにフランスの文化へのコンプレックスがあった多くのアメリカ人は、
フランスの文化レベルの高さや優雅さに圧倒され、憧れたのでした。そし
てアメリカ人は、ルネサンスやバロック、そして18世紀のヨーロッパ絵
画、さらには19世紀の印象派やそれ以外のフランス絵画までをも収集し
ていきます。
こうして収集された絵画と、財を未来のために活かすプロテスタント精神、
そしてそれを支える資本主義と愛国心によって、アメリカでは美術館文化
が大きく発展することになります。また、寄付控除があるため、個人コレ
クションを美術館へ寄贈や遺贈する寄付文化が根付いていることも、アメ
リカの美術館がヨーロッパに劣らない豊富なコレクションを誇る要因にな
りました。こうした理由から、現代のアメリカにはヨーロッパに引けを取
らないレベルの高い美術館がいくつもあるのです。
★切っても切り離せないアメリカの美術館発展と富豪たち
そして、この美術館文化を支えたのがアメリカ人の富豪たちでした。ヨー
ロッパの主要美術館が王侯貴族のコレクションを軸にしているものが多い
中、アメリカは建国以来の純粋なブルジョワ社会のため、美術館創立に貢
献したのも大財閥を筆頭にしたアメリカ人富豪たちだったのです。
たとえば、メトロポリタン美術館はモルガン家、ロックフェラー家、アス
ター家、そして「リーマン・ショック」のリーマン家との関係を抜きに語
れません。ワシントンDCのナショナル・ギャラリーも、銀行家・財務長
官アンドリュー・メロン(1855〜1937年)が建物と自分のコレクションを
国家と国民のためのものとして寄付し、創設に尽力した美術館なのです。
さらには、ニューヨークにはフリック家やグッゲンハイム家の、そして西
海岸にはゲティ家の一族の名を冠した美術館があります。彼らの場合はコ
レクションを既存の美術館には寄贈せず、個人の美術館を設立して公開し
ました。
また、素晴らしいのがそれぞれの美術館が「お宝自慢」に終わっておらず、
美術史的にも価値のある名品が揃っている点です。体系的な観点で美術史
に則した啓蒙的なコレクションを誇っています。
これには、アメリカの学歴社会の側面も少なからず影響しています。貴族
社会ではないアメリカでは、爵位ではなく学歴・学位が重要視される傾向
があります。日本とは違う意味での学歴社会なのです。そのため、教養主
義や権威主義が強く、大財閥クラスでさえも、美術史家や専門知識を持つ
美術商たちの薦めによってコレクションを充実させる傾向がありました。
このような専門知識に則った収集スタイルで、莫大な富と共にヨーロッパ
文化を継承し庇護していった結果、ヨーロッパに並ぶ所蔵品を誇る美術館
文化を根付かせることができたのでした。
拙著『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』では、
こうした美術に関する知識や、その背景にある欧米の歴史、文化、価値観
などについて、約2500年分の美術史を振り返りながら、わかりやすく解説
しました。これらを知ることで、これまで以上に美術が楽しめることはも
ちろん、当時の欧米の歴史や価値観、文化など、グローバルスタンダード
の教養も知ることができます。少しでも興味を持っていただいた場合は、
ご覧いただけますと幸いです。
●レオナルド・ダ・ヴィンチが、経歴書に「軍事技術者」と書いた理由
いま、「美術史」に注目が集まっている――。社会がグローバル化する中、
世界のエリートたちが当然のように身につけている教養に、ようやく日本
でも目が向き始めたのだ。グローバルに活躍する企業ユニ・チャーム株式
会社の社長高原氏が「美術史を知らずして、世界とは戦えない」とコメン
トを寄せている。そこで本書の著者木村氏に、知っておきたい「美術」に
関する教養を紹介してもらう。今回は、15世紀イタリアで起きた「芸術
家」の地位向上について解説。
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★ダ・ヴィンチは軍事技術者!?ミケランジェロは空間デザイナー!?
15世紀、イタリア人が愛着を込めてクァトロチェントと呼ぶ時代に、フィ
レンツェを中心として新たな建築、彫刻、絵画における芸術的な動きが興
ります。ここで起きたのは、画家や彫刻家といった「美術家」の地位の昇
華です。美術家は、労働者的な職人という社会的地位から、文化人貴族的
な地位へと徐々にその地位を向上させていきます。
そして、絵や彫刻が上手なだけなのは職人であり、神のように万能の人と
なって初めて芸術家と見なされるようになるのです。たとえば、レオナル
ド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519年)は、履歴書で自分のことを軍事技術者
と称し、ついでのように彫刻と絵画の技量を記していました。
そのレオナルドを尊敬していたラファエロ・サンティ(1483〜1520年)も、
本人は西洋絵画における絶対的な古典(規範=お手本)となりますが、レ
オナルドと同様に画家としてだけではなく建築家として活躍するなど、万
能人としての側面がありました。また、同じ盛期ルネサンス三大巨匠の一
人、ミケランジェロ・ブオナローテ(1475〜1564年)も、彫刻家、画家、
建築家、そして現代的に呼べば空間デザイナーとしてなど、八面六臂の活
躍をしています。
つまり、その人物の精神や知性が反映された作品が、「商品」ではなく「
芸術品」と見なされるようになったのです。16世紀以降、イタリアでの芸
術修業が必須となるようになって以来、この概念が徐々にイタリア以外の
ヨーロッパ諸国でも広がっていきました。
★絵からも読み取れる芸術家の地位向上
職人から芸術家へと地位が向上したことを象徴する作品として、ミケラン
ジェロが教皇ユリウス2世の命により描いた「システィーナ礼拝堂の天井
画」があります。創世記を主題にしたこの天井画ですが、当初の教皇の注
文は12使徒を描くことでした。しかしミケランジェロ自身の判断で現在見
られる構成となったのです。
そのこと自体、これまでの職人としての社会的地位では許されないことで
す。この天井画のハイライトとも言える「アダムの創造」の場面でも、聖
書では「神がアダムに息を吹き込んで人間が誕生した」とあるところを、
神が指先からアダムに生命を授ける構図で描いています。つまり、完成時
に「神のごとしミケランジェロ」と称えられたように、描いた彼独自の解
釈や見解が認められたわけであり、そのこと自体が職人ではなく芸術家と
しての地位が確立されたことの証でもありました。
拙著『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』では、
こうした美術の背景にある欧米の歴史、文化、価値観などについて、約
2500年分の美術史を振り返りながら、わかりやすく解説しました。これら
を知ることで、これまで以上に美術が楽しめることはもちろん、当時の欧
米の歴史や価値観、文化など、グローバルスタンダードの教養も知ること
ができます。少しでも興味を持っていただいた場合は、ご覧いただけます
と幸いです。

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